2016年の自分を一月一冊で振り返る:そして2017年へ
日ごろからつけている読書ノートを頼りに、2016年の読書遍歴と、どのように興味が変わっていったかを、そして2017年に読みたい本や学びたい学問の分野を書き起こす。
なお基本古本しか読まないうえ、ネットとかで評価されている本しか読まないので今年出た本はほとんど読んで無い。
~2016年一月一冊~
1月
『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』
今更高校生が推す必要もない名著。冬休みに世界史の通史の学習を一通り終えたので読んでみた。世界史のほかに、地理にも興味が向かった(本来その二つは同時に学ばれるべきだが)。
2月
『増補 民族という虚構』
小坂井 敏晶 ちくま学芸文庫
民族というのは恣意的に作り出されたものに過ぎないという話。人は虚構に拠って生活しているという考え方は、この本を読んで得た大事な財産な気がする。社会学(橋爪大三郎とか)にも興味が出始めた
3月
『葉隠入門』
このブログで初めての記事を飾った本。このころから死をめぐった哲学が始まる。
4月
『レトリック感覚』
このブログでも紹介した本。言語という”虚構”をめぐる話。
5月
『アウトサイダー』
コリン・ウィルソン 中公文庫
これも死をめぐった哲学の中に入るか。でも僕の中では哲学よりも、衒学的何かが爆発した本。
6月
特になし
7月
『経済史入門』
川勝平太 日経文庫
世界史と地理の複合的な話。
8月
『レトリック認識』
共同体と言語の話。
9月
特になし
10月
『保守とは何か』
この時期にはこれ以外にも戦後すぐの人たちの本を多く読んだ。特にガツンとやられたのがこの福田恒存で、保守とは何か、思想とは何かを考えさせられた。
11月
ダグラス・ホフスタッター 白揚社
何回か挫折していたが、なんだかんだで読み切った。数学、言語学の勉強を積んでからもう一度読み直したい。
12月
『竜樹』
大乗仏教の開祖ナーガールジュナ(竜樹)についての本。前々から仏教について学んでいたが、この本と『夜と霧』を読んで、自分の中での死と哲学の問題が一段落する。
~今年興味を持っていたこと~
・世界史
受験科目であることもあってこれに関した本は結構読んだし、考えたこともあった。ここから他のいろんな学問に興味が発展することもあるし、世界史を知らないと飲み込めない学問も多い、文系学問のハブ的存在。
・社会学(主に共同体について)
この記事やブログではあまり扱えてないが、共同体に関することは考えることが多かった。ここから言語学へと興味が移る。
・仏教
死と寄り添う哲学が行きついた先がここだった。お坊さんになるつもりはないが、仏教哲学は一生傍に居てもらうことになるかもしれない。
~今年興味を持った、2017年に学びたいこと~
・言語学、数学
この二つ、大体同じだと思う。GEBをもう一度読むためにも、さらに楽しむためにも早急に学ぶ必要がある。
・経済学
国際ニュースを見ていても、経済がわからないと今一つピントが合っている気がしない。マルクスも言っていたように、やはり経済学は学ぶ必要があると思う。
・トッド
この記事では一度も触れなかったがトランプが大統領選に勝利した日に、エマニュエル・トッドのグローバリズム批判の本を読んでハマり、新書で出ていたのは大体読んだ。来年は時間ができると思うので、単行本も読みたい。
・日本画
若冲にハマった。美術館を回ってみたい。もう少し早ければなぁ……
もちろんこれら以外のことにも興味を持つだろうし、世界史や仏教や社会学も学び続けるだろう。こういうことを考えると
Art is long,life is short.
が脳裏をよぎる。後悔のないよう生きたいものだ。