また読書と知識の話
ならば何を読めばいいのだろうか。この途方も無い量の本の海で生き抜くための、羅針盤と地図は誰が与えてくれるのだろうか。
古典を読めばいいという人・本は多いがこれは正しいのだろうか。『国富論』は、『プロ倫』は、『エミール』は、『詩学』は現代社会で通用するのか。NOじゃないだろうか。科学、宗教、哲学その他諸々様々なことが近現代には変化が見られた。少なくとも戦後に書かれた本でなければ、知識の有効度は薄い気がする。
ではその戦後に書かれた本の中で何を読めばいいのか。そこが非常に難しい。前回の記事で書いた様に、著者の背景に目を向けるにしても、戦後だと評価が定まっていない。学問の細分化により専門書の量が増え、初めの一歩が難しい。極め付けは、入門書の粗製濫造だ。歴史、英語、経済の入門書の棚を眺めると眩暈がしてくる。
我々高校生はオススメ本リストを常に求めている。塾の先生にオススメ本リストを尋ねると、「僕の時代から徐々にそういう物が消えつつあった。デカルト、カント、ショーペンハウアーが古典の王道とされているくらい。多分、何でも読んで、その上で全てを知ることはできないって意識して、傲慢にならないことが大事なんだよね」と。うーん、困った。無知の知は時代を超えて通用するようだ。古典の中でもソクラテスは読んだ方が良いのかもしれない。
- 作者: プラトン,藤沢令夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1979/04/16
- メディア: 文庫
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